7月14日から16日まで、北海道小樽市、岩見沢市、千歳市へ会派視察に行ってまいりました。
《7月14日/1日目》小樽市
中心市街地活性化基本計画の概要について
小樽市では平成11年度に中心市街地活性化基本計画(街なか活性化計画)を策定し、中心市街地のにぎわいづくりを目標に各種事業に取り組んできましたが、空き店舗の増加や歩行者通行量の減少など、十分には目標が達成できない状況にありました。
そこで、 まちづくり3法が改正されたことや小樽駅前第3ビル周辺地区市街地再開発事業における「地域住宅交付金」の補助採択要件として、計画の認定が必要だったこと等を踏まえ、新たな基本計画を策定することとなりました。小樽商工会議所と小樽駅前ビル(株)が共同設立者となり、平成19年2月26日に「小樽市中心市街地活性化協議会」を設立。多様な主体を巻き込んだ一体的なまちづくりをめざすこととなったのです。
これまでの取組みに対する課題を整理し、小樽市のまちづくり4つの基本方針を設定。基本方針を踏まえ3つの目標を掲げ、55事業に取り組まれました。この基本計画は平成25年3月末で終了しましたが、引き続き官民協働により市街化活性化に取り組まれています。
空き家・空き地バンク制度について
空き家・空き地バンク制度とは、市内にある空き家・空き地の物件情報を登録し、公開することによって、物件の有効活用を図り、市の定住人口や地域の活性化を促進するための制度です。
小樽市では定住人口減少に伴ない、年々空き家が増加。空き家・空き地の提供者に登録をしてもらい、小樽市がHPや窓口で情報の公開し、宅地建物取引業協会は物件の仲介・あっせん・交渉・契約等を行います。
小樽市では平成20・21年度に市内の空き家・空き地の調査を行い、現状を把握。調査結果を活用し、良好な空き家や空き地の所有者に対してバンクへの登録を勧誘。危険家屋に関しては、適正な管理を要請。その危険家屋については今後、条例を作ることも検討しているとのこと。空き家・空き地を有効利用して、定住人口につなげていきたいということでした。
本市においても共通する課題であることから、今回視察させていただいたことを参考に空き家・空き地の有効活用を図ることで、定住人口につながればと考えます。
《7月15日/2日目》岩見沢市
農産物の地産地消・消費拡大について
岩見沢市の主要な産業は農産物であり、市やJA、商工会議所などで岩見沢市農産物消費拡大推進協議会が設立され、農業政策を進められているところが特徴的でした。
どこの自治体も同じですが、農業者の所得が全体として低く、高齢化も進み、後継者不足が課題になっており、対策が必要だと感じました。自立できる農業を実現するためには、ブランド化、六次産業、販路の拡大などに取り組んでいかなければならないと感じました。
恵庭市
えにわ花のまちづくりプランを現地視察
恵庭市の「恵み野ニュータウン」へ、ガーデニングによるまちづくりを視察してきました。1980年代につくられたまちですが、建物が古くなっても美しく魅力的なまちであり続けるにはどうしたらよいか、答えを求めることに端を発し、まちづくりが始まったそうです。「花のまちづくり」の機運が市民の間で高まり、今では「恵み野フラワーガーデンコンテスト」が毎年開催されています。これは道路から見る庭の美しさを競うもので、最近では自分の庭ばかりでなく、歩道にも花が植えられ、家を囲むまち全体の景観が年々美しくなってきているそうです。恵み野駅には、“恵み野花マップ”が置かれており、このまちの景観を楽しむために来る人々が多いようです。私もそのひとりですが…。
「道の駅花ロードえにわ」にも視察に行き、きれいな花々に癒されました。花の苗も直売され、たくさんの人でにぎわっていました。とても見ごたえのある魅力ある道の駅でした。
本市も駅北がこれから開発されますが、花・水・緑をコンセプトに市民と協働で魅力あるまちづくりを進めていくことができればと思いました。
《7月16日/3日目》千歳市
千歳市防災学習交流センター「そなえーる」では、災害を「学ぶ・体験する・備える」をテーマに、さまざまな災害の擬似体験をしながら、防災に関する知識や災害が発生したときの行動を学べる他、防災講座や救命講習、防災訓練等にも活用している施設です。
建設までの事業期間は平成18年度から22年度で補助制度「まちづくり構想策定支援事業」として採択。総事業費は約21億円であり、財源は防衛省所管民生安定事業で実施し、国庫補助率は75%で、補助裏として起債75%、市費25%となっており、市費は約1億3,000万円となっています。管理については市の直営であり、委託職員などが運営しています。
この施設の最大の特徴は、実際に体験できる設備が整っているところであり、地震体験コーナー、煙避難体験コーナー、避難はしご、脱出シュート等の体験を行うことができます。特に地震体験コーナーでは、今まで国内で発生した地震と全く同じ条件で体験でき、地震の恐ろしさを改めて知ることができます。
子どもから大人まで災害を体験できる施設が存在することは大変貴重であり、本市においても市民に対して広報啓発活動だけでなく、体験を通しての啓発活動や防災訓練などを行っていくことが防災意識高揚のために必要だと考えます。