5月12日(月)〜5月14日(水)まで、総務文教常任委員会の行政視察に参加しました。
【1日目】
埼玉県志木市において、「公文書管理条例」についての取組を伺いました。
この条例の目的は第1条に、「公文書の管理に関する基本的事項を定めることにより、公文書の管理責任の明確化その他の公文書の適正な管理を図り、もって市政の適正かつ効率的な運営に資することを目的とする。」と記されていました。
情報公開と文書管理は車の両輪と言われるように、情報公開制度のより一層の充実が求められます。従って、市民への説明責任を果たしていくためには、公文書の適正な管理は不可欠でますます重要になっていると考えます。しかし、情報公開請求に対して、請求対象の公文書が存在せず非公開となる場合もあります。作成すべき公文書が作成されていなかったり、作成されていても適正な管理がされていなければ、情報公開制度が円滑で適正に運用されていないばかりか、市政に対する信頼も損なうことになりかねません。
本市においても職員の意識、技能の向上を図り、管理責任を明確化するとともに市民との情報公開を共有し、公正かつ透明性の高い市政運営を確保するためにも、公文書管理条例制定に向けて検討すべきと考えます。
【2日目】
千葉県柏市において、「児童虐待及びいじめ防止条例」について説明を受けました。
この条例の前文には「子供たちは、私たちの宝であり、社会の希望であり、人類の未来を切り開く可能性に満ちたかけがえのない存在です。子どもたちは生まれながらにして、一人一人が人間として尊重され、成長及び発達が保護されなければなりません。しかし、児童虐待及びいじめにより、子供たちの命が奪われたり、子供たちが自ら命を絶つ痛苦のできごとが続いています。児童虐待及びいじめは、子供たちが人間として尊重され、成長し、および発達する権利を侵害するものであり、絶対に許されません。」とあります。
そして第1条には、「児童虐待及びいじめから子供たちを守る施策に係る基本理念を明らかにし、本市、市民等、保護者、小中高校及び各関係機関等の責務並びに児童虐待及びいじめの防止及び解決をするための施策の基本的事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、もって子供たちが安心して生活し、健やかに成長することができる環境創りに寄与することを目的とする。」と。
児童虐待、いじめは悪であり、その撲滅は悲願であると思います。議員提案で条例制定された柏市を参考にさせていただき、児童虐待及びいじめ防止条例制定に向けて担当部局、担当常任委員会が前向きに取組を進めていければと思います。
【3日目】
千葉県野田市において、「公契約条例」について、条例制定されるまでの取組状況、条例制定後の効果等について説明を受けました。
条例の前文には、「地方公共団体の入札は、一般競争入札の拡大や総合評価方式の採用などの改革が進められてきたが、一方で低入札価格の問題によって下請の事業者や業務に従事する労働者にしわ寄せがされ、労働者の賃金の低下を招く状況になってきている。(抜粋)」とあります。その条例第1条には、「公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図り、もって市民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会を実現することを目的とする。」と。
野田市において、この条例が特に業界団体等からの反対もなく、スムーズに運用されている背景には、事前に十分関係者等の意見を聴取し、条例運用に反映させていることがあるようです。
本市においても同様に、関係者との十分な意見交換を事前に行うことが求められていると思われます。発注者と受注側の事業者においては適正価格での契約が必要であり、今後請願も採択されていることから、条例制定に向けて検討していくべきだと考えます。